2022年10月21日

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欧州の統一特許裁判所(UPC)の実施に係るロードマップ公表について

開始に向けて準備が進められている欧州の統一特許裁判所(UPC)について、今後の実施予定に関する具体的なロードマップがUPCウェブサイトに掲載されました。

 

このロードマップによれば、UPC協定の発効日は2023年4月1日の予定であり、この発効の日からUPCが始動する(事件を受け付ける)とのことです。なお、このロードマップはあくまでも現状を反映したものであり、変更される可能性もあるとのことです。

 

ロードマップについてのより具体的な詳細は、下記のとおりです。

 

(1)ドイツによる批准書の寄託

UPC協定発効のための最後の要件であるドイツによる批准書の寄託が、2022年12月第4週に予定されています。ドイツによるこの寄託は、サンライズ期間の開始日(寄託の次の月の最初の日)、及びUPC協定の発効の日(寄託から4月後の最初の日)を決める重要なイベントです。また、ドイツによるこの寄託は、欧州特許庁(EPO)における「単一特許の早期申請」及び「欧州特許付与の決定の遅延申請」の開始日を規定するイベントでもあります(EPOウェブサイト)。

 

(2)サンライズ期間

オプトアウトの事前申請を受け付けるサンライズ期間が、2023年1月1日に開始されると予定されています。このサンライズ期間では、UPC協定発効までの3カ月間にわたって、オプトアウトの申請(従来型欧州特許及び欧州特許出願をUPCの管轄から除外するための申請)をすることができます。

 

(3)UPC協定の発効

上記のとおり、UPC協定の発効が2023年4月1日に予定されています。このUPC協定の発効によって、国際裁判所UPCが正式に始動します。また、このUPC協定の発効に伴って、欧州特許庁(EPO)における単一特許(UP)の取扱いも正式に開始されます。

 

(4)補足

オプトアウトの申請は、UPCが提供する案件管理システム(CMS)によりユーザーが直接行うことができます。ロードマップによれば、サンライズ期間の開始前にユーザーが案件管理システム(CMS)を試行できる練習期間が、本年11月後半から設けられるとのことです。UPCウェブサイトでは、CMS上でのオプトアウト申請に必要な認証システムについても別途公表しています(2022年10月10日付News2022年10月12日付News)。

 

具体的な日付がUPCによって発表されたことで、欧州単一特許制度の開始がいよいよ現実に感じられるのものとなりました。サンライズ期間及びEPOにおける早期申請・遅延申請の開始までの時間が限られているため、オプトアウト又は単一特許取得を検討している場合には、早期に準備を進めるのがよいと思われます。各制度の詳細については、弊所ニュースレター「欧州の単一特許保護制度」をご参照ください。