東京地方裁判所知的財産権部は、令和8年1月、標準必須特許(SEP)に基づく特許権侵害訴訟の審理要領(以下、「SEP訴訟審理要領」とします。)、及び、SEP調停の審理要領(以下、「SEP調停審理要領」とします。)を公表しました。SEP訴訟審理要領では、裁判所がグローバルFRAND実施料の合意形成を主導すること、当該実施料の算定根拠が示される限りトップダウンや比較アプローチ等の多様な算定手法が容認されることが明記されています。また、被告には、販売数や販売額等の証拠提出が求められ、被告がこれに応じない場合は『ライセンスを受ける意思がない』と判断されるおそれがあることが明記されています。SEP調停審理要領では、第3回調停期日までに調停の成立を目指すこと、申立人の相手方に、相手方製品等の販売数や販売額等の証拠提出を求めること、調停不成立となった場合、その経緯や調停案を記載した調書はその後の訴訟等で権利濫用の抗弁の証拠として活用できることが明記されています。本稿ではこれら各審理要領を、SEP及びFRANDの概要、令和7年に下された3つのSEP関連の判決の概要も含めて紹介します。